なぜ猫は食べ物を選り好みするのか?
猫の習性によって起こる「食べムラ」
猫は本来、集団ではなく単独で暮らす動物。
⾷のバリエーションを増やしたいという「好奇⼼」と危険なものを避けたいという「警戒⼼」の両⽅を持ち合わせています。
単独で暮らす猫にとって、⾷べられる物を増やし、食べられない物を避けていくことは死活問題だからです。
好奇心の方が強く働いたとき、それまで食べていたフードを食べなくなってしまうのです。
興味が違うフードへ移ったというだけなので、それまで食べていたフードを嫌いになったわけではありません。
また、食べ物に対して警戒心がより強く働く場合もあります。
初めて食べる物は何が起こるかわからないという習性や、食べた後に嘔吐するなどの良くない経験をすると、その後の経験からその食べ物を食べなくなります。
そのため、フードに薬を混ぜたり、新しいフードを試したりするときには注意が必要です。
フードの栄養成分によって起こる「食べ飽き」
猫がごはんを食べない、その大きな原因のもう一つは「食べ飽き」です。
食べ飽きとは、猫が本能的に求める栄養バランスでないフードに対して、最初はよく食べていてもやがて飽きてしまう、という現象です。
猫に合った栄養バランスで好みの食感のフードを選ぶ必要があります。
猫はもともと単独で狩りをする動物で、いつでも狩りをできる臨戦態勢でいる必要があります。
俊敏に動くために胃の容量も小さく、一日を通して少しずつ何度も食事をします。
そのため、猫は生きていくのに必要のない栄養成分でおなかを満たす余裕がなく、きちんと自分に必要な栄養バランスの食事を見分ける能力があると言われています。
実際にフードを与えてみて、最初はよく食べていたとしても、そのフードの栄養バランスが適切でないと、やがて食べなくなってしまいます。
ウェットフードはドライフードよりも嗜好性が高いため、食事の好みが変わりやすい猫でも食べてくれることが多いです。